助動詞canの意味と使い方(基本編)

助動詞canについてです。canは中学校で使う用法では「~できる」と習うので、その意味でのみ覚える事が多いですが、実際は色々な意味で使われます。canの基本と応用の2回に分けて見ていきたいと思います。
応用編はコチラ
ちなみに助動詞(法助動詞)は英語でmodal auxiliary verbまたはmodal verbといいます。modalは法auxiliaryは補助の、verbは動詞という意味です。
英語の勉強でよく出てくる助動詞は、正確には法助動詞と言います。法助動詞とは別に、助動詞と呼ばれるものには、be、have、doなどがあります。
目次
助動詞canの基本の形
<基本の形>
主語(S) + can + 動詞の原形(V) + ~
canに限らず、助動詞の後ろは必ず動詞の原形になります。
また、canを過去形で用いる時はcould(canの過去形)を用います。
助動詞canの用法
canは基本的に可能の意味を表します。これをしっかり覚えておくと、そこから派生した意味になっても、理解しやすいと思います。
助動詞canには次のような使い方(意味)があります。
1.能力・可能:「~することができる」
2.許可:「~してもよい」
3.可能性・推量:「~でありうる、~することがある」
4.強い否定の推量:「(3の否定文の形で)~であるはずがない」
5.強い疑問:「(3の疑問文の形で)(一体)~だろうか」
各用法について、順に見ていきます。4と5については疑問文 or 否定文の項目で取り上げます。
能力・可能:「~することができる」
canの1つ目の意味です。能力・可能を表し、訳は「~することができる」となります。canの意味で一番初めに習うので覚えている方も多いと思います。
He can drive a car.
(彼は車を運転できる)
許可:「~してもよい」
2つ目の意味です。許可を表し、訳は「~してもよい」となります。
You can open the window.
(窓を開けてもいいですよ)
可能性・推量:「~の可能性がある、~することがある」
A child can fall down.
(子どもは転ぶことがある)
※fall down:転ぶ
canの否定文の作り方
<否定文の作り方>
主語(S) + cannot [can’t] + 動詞の原形(V) + ~
※canにnotをつける場合はcan not とはしません。cannotもしくはcan’tとします。
能力・可能:「~することができる」の否定文
He can’t[cannot] drive a car.
(彼は車を運転できない)
許可:「~してもよい」の否定文
許可の意味の否定文は「~してはいけない」という禁止(不許可)を表す文になります。
You can’t[cannot] open the window.
(窓を開けてはいけない)
可能性・推量:「~でありうる、~することがある」の否定文
可能性・推量の意味のcanの否定文は「~でありうる事はない」→「~のはずがない」(強い否定的推量)となります。
He can’t[cannot] tell a lie.
(彼が嘘を言うはずがない)
canの疑問文の作り方
<疑問文の作り方>
Can + 主語(S) + 動詞の原形(V) + ~?
能力・可能:「~することができる」の疑問文
Can he drive a car?
(彼は車を運転できますか?)
許可:「~してもよい」の疑問文
Can I open the window?
(窓を開けてもいいですか?)
Yes, you can./No, you can’t.
(はい、いいですよ/いいえ、いけません)
※ここでの回答でNo, you can’tは“許可”の意味のcanの否定文になるので、上記の許可のcanの否定文=禁止(不許可)を表します。日本語訳に注意です。
可能性・推量:「~でありうる、~することがある」の疑問文
可能性・推量の意味のcanの疑問文では「(一体)~だろうか」と強い疑問・驚き・いらだちの気持ちを表します。
Can he tell a lie?
(一体、彼は嘘を言っているだろうか)
依頼:「~してくれませんか」
canの意味の中では、疑問文だけで出てくる使い方です。
といっても、文の作り方はcanの疑問文の形と一緒です。ただ、主語がyouになっていて
Can you +動詞の原形 + ~?
となっています。
普段の会話の中では親しい間柄の人のみに使います。親しくない場合はcanの代わりにcouldを使います。
※couldを使うと丁寧な言い方になります。
Can you open the window?
(窓を開けてくれますか?)
Could you open the window?
(窓を開けてくれますか?)
日本語訳は同じですが、依頼している相手との親密度が違います。
続いて、canの応用編は別記事にありますので、ぜひご覧ください。